コロコロと興味の対象が移り行く音方による、日々の熱い物を綴ってみた日記。   ※アダルト・商業系サイトやここの記事とあまりにもかけ離れたTBやコメントは削除させて頂いています。悪しからずご了承下さい。


by otokata
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

ノートルダムの鐘


ノートルダムの鐘

e0086682_19172166.jpg


製作・・・1996年/アメリカ
監督・・・ゲイリー・トゥルースディル
キャスト・・・ カジモド/トム・ハルス(石丸幹二)
        エスメラルダ/デミ・ムーア(保坂知寿)
            (歌・イジ・モーレンハウアー)
        フロロー/トニー・ジェイ(日下武史/歌・村俊英)
        フィーバス/ケビン・クライン(芥川英司/現・鈴木綜馬)
        クロパン/ポール・キャンデル(光枝明彦)

 突発的ユゴー語り第3弾は、ディズニー映画のノートルダムです。
前に地上波放送もしていたし、ディズニー映画だから有名だと思っていたけれど、私の周りでこの作品を見たという人は、少ないです。

 この作品と『ムーラン』、『ポカホンタス』は、”ロマンス三部作”と呼ばれているそうです。
ロマンスといっても、恋愛が主流ではないし、この作品はディズニー映画の中でも異色で、扱いも他の作品に比べて地味です。だから知ってる人が少ない・・・(泣)。

 これはとにかく映像が綺麗です。冒頭に鐘の音と共に映し出される壮大な寺院は、雲をつきぬけ、この世のものではないような神聖さを帯びています。(こんなに大きいのか?というツッコミはなしです)比べる必要もないけど、この後発売の2なんかとは雲泥の差です。

 それに、音楽

・クロパンが歌う導入の『ノートルダムの鐘』
・カジモドが外の世界で過ごすことを夢見て歌う『僕の願い』
・クロパンと民衆がお祭り騒ぎで歌う『トプシー・ターヴィー』
・エスメラルダが祈りを込めて歌う『ゴッド ヘルプ』
・カジモドとフロローがそれぞれエスメラルダへの想いを歌う『天使が僕に/罪の炎』
・石像トリオがカジモドを励ます『ガイ・ライク・ユー』
・荒くれジプシーたちの歌う『奇跡の法廷』
・クレジットで流れる『サム・ディ』

など、素晴らしいナンバーの数々!
ミュージカル好きの人には特にオススメです!現に海外では舞台化しているみたいです。(観たい・・・。)

 中世パリの雰囲気も、とてもよく出ています。建物や人々の様子が、美麗な映像で映し出されます。
 扱っているテーマは重いけど、暗くならずに見事に表現できていると思います。さすがディズニー!かなり見直しました。

 吹き替えは劇団四季で、オリジナルに劣らず素敵です。ただ、フロローの声が、慣れると日下さんと村さんはかなり声質が違うように聞こえます。そこがちょっと痛い・・・かな?

 余談ですが、この作品の吹き替えではフィーバスの鈴木さんとヴィクトルの今井さんとで、ミュージカル版レミゼのジャヴェールが二人も出ていることになりますね♪何だかちょっと嬉しいです(今井さんは現在はヴァルジャンですが)。
 原作とは結構かけ離れていますが、オススメの作品です!

 私はこの作品をWOWOWで観るまで、ユゴーの作品を全く知りませんでした。
まあ、『ノートルダムの鐘』はラストはハッピーエンドになっていたり、フィーバスが誠実な英雄になっていたり、グランゴアールが出てこなかったり、フロロが判事だったりと、原作と違う箇所や重大な変更点は多々あるのですが、ベースは紛れもなく『ノートルダム・ド・パリ』です。
 この作品にハマッてから、他のノートルダム映画や、原作の『ノートルダム・ド・パリ』、そして昨日書いた様に『レ・ミゼラブル』や『93年』などにたどり着きました。
 私の中では全てのきっかけになった作品です。

 さて、この作品の中で私が特に心を惹かれたのは、悪役のフロローです。

 自分の行っていること、すなわちジプシーを排除することが正義だという信念を持ち、それを狂信する故に人を傷つけても痛くも痒くもないような怖い役です。最初で最後であろう良心の呵責からカジモドを養育し、ノートルダム寺院の中に閉じ込めて「世の中は悪で、ここだけが安全だ」と言い聞かせます。性格真っ黒。
 ジプシーに恋焦がれ、狂気を帯び、崩壊して行く姿は恐ろしいものがあります。
そんなフロローが、今まで自分が悪とみなしてきたなかったエスメラルダを愛する。
 「自分は悪くない。悪いのは私をたぶらかしたあの魔女なのだ。」と、燃え上がる欲望や歪んだ愛を歌いあげる『罪の炎』のシーンは、圧巻です。
 今までのヴィランズにはない生々しさや、救いようの無い禍々しさ、けれどもそれゆえの哀しさを背負った、ディズニー史上異色の悪役です。

 その存在感の大きさが、カジモドの宿命と相まって、ノートルダムを他のディズニー作品とはかなり違う雰囲気のものにしているのだと思います。
 私的にはノートルダムの鐘=影の主役はフロロー、という図式が出来上がっています(コラ)。

 エスメラルダは、強く優しく、自由奔放で、私的ディズニー歴代ヒロインNo1です(ちなみに2はジャスミン)。カジモド、フィーバス、フロローと、三人の男性が想いを寄せるのも十二分に納得できます。憧れの女性です。
 フィーバスは、格好いいですね。誠実で勇敢な人になっています。原作の彼に映画の彼が出会ったなら、原作の彼を一刀両断にしてしまいそうなほどです(よく分からないシチュエーション)。愛馬アキレスとのコンビネーションも楽しいです。
 狂言回しのクロパンはオリジナルも吹き替えも最高です!歌は上手いし、味はあるし、クルクル動いて楽しいし、カラフルだし、腹話術の人形は可愛いし・・・。原作のように粗野ではありませんが、これはこれで大好きです。

 これらの個性豊かなキャラクターが繰り広げる世界は、ユゴーが描いた『ノートルダム・ド・パリ』の世界に比べると、少々明るすぎるかもしれません。フロロが元々は清廉潔白な原作に比べると、彼の主張は自己中心的過ぎるし、悲惨さも敵わないかもしれない。カジモドに石像の友人や、同志となるフィーバスがいるから、彼の孤独も伝わりにくいかもしれない。エスメラルダは原作より遥かに芯が強く、悲劇の女性という感じではない(そして死なない)。フィーバスに至っては善人。
 だけど、この作品はディズニーの他の作品のように綺麗事だけでは終わりません。
エスメラルダはフィーバスと結ばれ、カジモドは友人達を祝福する。
恋は実らなかったけれども、カジモドがようやく日の光の下に出てスタートを切ることが出来た。
全てが順調というわけにはいかなかったけれども、これからが始まり。
明るく未来が開かれた終わり方で、とても好感が持てました。
 
 とてもいい作品です。だからこそ、続編は出さないで欲しかった・・・。
[PR]
by otokata | 2006-01-10 19:18 | ノートルダム・ド・パリ