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コロコロと興味の対象が移り行く音方による、日々の熱い物を綴ってみた日記。   ※アダルト・商業系サイトやここの記事とあまりにもかけ離れたTBやコメントは削除させて頂いています。悪しからずご了承下さい。


by otokata
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ノートルダム

 突発的ユゴー系語り第5弾は、『ノートルダム』にしようと思います。
いえ、最近本を読むだけで一日が過ぎるので、ネタがない・・・。

 今回、ちょっとサイトを開いてた頃の再録チックな文章になってるけど、お許しを。
(『ノートルダムの鐘』の時もそうだったしな。)


『ノートルダム』

製作・・・1997年/アメリカ
監督・・・ピーター・メダック
キャスト・・・カジモド/マンディ・パティンキン
        フロロ/リチャード・ハリス
        エスメラルダ/サルマ・ハエック
備考・・・TVドラマ

 ノートルダム系の中では、つい最近の作品です。1939年版はディズニーに影響を与えているように見えましたが、こちらは逆にディズニー版から影響を受けているような気がします。キャストも皆適役です。全体的に良くまとまっているし、映像も綺麗でとても見やすい作品です。
 話の筋はやっぱり原作と違う点がありますが、映像も他の作品よりは綺麗なので(新しいし)とっつきやすく、ノートルダム初心者の方にオススメです。

あ、今更ですが、ネタバレ含みます。

 この映画はフェビュスが出てきません。代わりにグランゴアールが彼の分まで活躍します。ヤギに現を抜かすようなヤツではなく、純愛キャラとしてエスメラルダとの愛を貫きます。エスメラルダは綺麗です、本当に。フロロがよからぬ感情(失礼)を起こしても無理は無いように思えます。

 リチャード・ハリスのフロロ、とてもじゃないけどダンブルドア校長と同一人物とは思えない・・・(汗)。しかも、私がこれを観た直後にお亡くなりになった、ちょっと哀しい思い出付き。
彼の葛藤は、とても生々しいです。最初は自らに鞭打ちをしたりして情欲を静めようとするのに、それでも抑えられなくなると、箍が外れたように行動します。ラストには、苦痛に満ちた胸のうちをカジモドに語りますが、それが本当に聖職者としては許されないような内容なんです。彼としては懸命に抑圧しようとしたのに、それが出来なかった苦しみがありありと伝わってきます。ただ、それまでは静か過ぎて狂気がほとんど目につきません。それゆえ、多少何を考えているのか分からない感じがします。
 変更部分にはどうも解せないのがあって、印刷術を巡って大臣と意見が対立し、その人を刺殺するところがそうです。原作なら、嫉妬に狂ったフュビュスを刺すところ、彼は政敵を殺害。そして、よりにもよってエスメラルダの短剣を残していくんです。汚いですね、こっちのフロロ。まだフュビュスなら彼女が罪を擦り付けられてもまだ分かるけど、何でいきなりエスメラルダが大臣を殺す必要があるんでしょう?しかもフロロはそれで自分の意見を国王に重用されているから余計腹黒く見えます(半分はそのために殺したんだから当然だけど)。
あ、ちなみにフロロのビジュアル、完全丸坊主です(苦笑)。その点は原作に忠実かも?

 カジモドは純粋です。いえ、どの作品でも大抵はそうですが。このカジモドの一味違う点は、学があるところでしょうか。本も読むし、結構知的。最後はフロロに真実を話すように説得(脅迫?)して話させる所までいきます。腕力だけじゃなくて繊細ながらどこか精神も強いところがあるみたいです。フロロの告白を聞いて「ご主人様はお気の毒だ。だけど、あの子は・・・」みたいなことを言うのを見ると、ついグッときてしまいます(その割にはセリフうろ覚えですけど)。
 
 フロロとの闘い(?)で負傷したカジモド。「命が去っていく・・・」と呟き、エスメラルダとグランゴアール(どうでもいいけど、この名前を打っているとグランテールを思い出す)、そして彼らが鳴らす鐘の音に囲まれながら息絶えるシーンは感動的です。
(そしてこれもどこかレミゼを思い出させます)。
by otokata | 2006-02-06 21:15 | ノートルダム・ド・パリ