魚沼宇水、その最期
2006年 07月 30日
日曜の朝から書くような内容でもないけど、最近発見した事を一つ。
宇水の死に様って、正直悪くないですよね?
唐突にすみません。決して上半身真っ二つになりたいわけじゃありません(苦笑)。
ゲームの公式サイトに触発されてるろ剣14巻を読み返していたときに、ふと思ったことを、きょうはちょっとだけ。
昔はね、宇水大嫌いだったんですよ。
何といっても斎藤さんのおみ足を傷つけた奴だし、彼の血を舐めるなんていう
けど、よくよく考えてみると、上半身真っ二つなんて惨たらしい状態になっていながらも、笑みを浮かべて斎藤さんと問答やってる姿を見ると、「なんかこいつは凄いんじゃなかろうか?」なんて気持ちがどっからか湧いてきちゃったんですよ。この状態で、喚きもせずに悠然と死を迎えるなんて、並大抵じゃない。
正直、戦闘中斎藤さんに図星を突かれまくって焦っている宇水は、格好悪いです。
けれども、決して折れない信念を持って生き抜いている斎藤さんから出た「己の信念を貫けなかった男など、死んでも生きてても惨めなものだ」と言われ、そこで「仕方なかった」だとか、何も反論もせず、己の人生に思いを馳せ、斎藤さんの人生に思いを馳せて静かに死んでいく姿は、今見ると敵ながら天晴れに見えます。何というか・・・、潔く見えます。
「一片の淀み無く己が道を貫く。簡単な様で・・・、何と難しい事よ。」
宇水自身も本当は、斎藤さんのように生きたかったのでしょう。
けれどもその難しさゆえに、虚栄を張らずにいられなかったプライドゆえに、道を踏み外し、折れてしまった。そんな彼の哀しさがこの一言に現れてるんじゃないかと思います。
自分が歩む事の出来なかった真っ直ぐな道を、決して踏み外すことなく強く生きる斎藤一。彼の説得力を持った言葉によって、自分の人生の過ちを素直に認めながら死んでいけたとしたら、たとえそれで惨い死に方を迎える事になろうとも、容赦なく自分の一番痛くて弱い部分を抉り出されようとも、彼は最期の対戦相手としてこの上なく最高の相手だったんでしょうね。
刃衛がいつまでも剣心の生き様を地獄の淵で見ているように、彼もきっと斎藤さんの行く末を見ているのではないでしょうか。
彼が悪即斬を貫き、その狼としての人生を完遂するまで。
by otokata
| 2006-07-30 09:17
| アニメ・コミック・ゲーム