コロコロと興味の対象が移り行く音方による、日々の熱い物を綴ってみた日記。   ※アダルト・商業系サイトやここの記事とあまりにもかけ離れたTBやコメントは削除させて頂いています。悪しからずご了承下さい。


by otokata
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金田一の獄門塾、終わりましたね・・・。(微妙にネタバレ注意)


 連載開始当初はもっと興奮して語り散らすと思っていたのに、いざ終わってみるとあっけなかったです。今でも高遠さんを好きなことには変わりないのですが、今回はちょっといつもとは様子が違ったようです。
 それは私の読み方が変わったとかだけではなく、作者が意図的に変化させていたようで、現に天樹さんのブログにはそのことが書かれています。

 私はあんまり納得いきませんが・・・。 

 結論からいいますと、作者のスタンスが正直嫌です・・・。



 「ラスト前の回を読んでいただいた読者の方には伝わっているかと思いますけれど、この話では高遠を思い切り悪役っぽく描きました。」

 うん、それは分かりますとも。悪役っぽかった。でも、それよりも何よりも、見苦しい気がした。別に悪役描写である事自体はいいんですよ。だって、やってることは悪だもん。
 最初の高遠さんは、あくまで華麗なトリックで人びとを欺き、驚かせるマジシャンである事にこだわる人だったのに、傀儡師に徹するようになってからは、勝負にこだわりすぎてなりふり構わなくなってるみたい。あくまで自分の負けを認めないで、よく筋が通らない言い訳する彼からは、今までのスマートさはあまり感じられません。悪役っぽいというよりも、高遠というキャラが変質していく感じ。

 「高遠を出すにあたって、露西亜人形殺人事件とか香港のあの話を読み直して、ちょっとこいつ、カッコ良すぎたかな、と思ったんです。速水玲香誘拐殺人事件の時は、ちゃんと悪党だったのに、どうもダーティヒーローのような描きっぷりがエスカレートしていってるような気がしました。」

 ああ、確かに今回のは、言ってる内容と、傀儡人形殺害まで至ったのは速水~に近かったかも。でもあの時はさっと現れて美しく去っていったから、この文を読むまで似てるとは思わなかった。
 露西亜館の時の、幽月さんや桐江さんに優しさを見せた高遠さんも、香港で潔く負けを認めた高遠さんも、確かに殺人犯なのにすっごく魅力的でした。ふと見せる寂しげな表情や、やたら子どもに優しいところも。誘拐殺人の時は、出番が少なかった上にそういう場面に遭遇しなかったからたまたま描かれなかったのだと思っていました。
 でも、彼が悪役だからって、ダーティヒーローみたいになっちゃいけないとは思えないんですけど。(ただの悪役なら、ここまで人気出ませんよ?売上にもきっと影響してますよ・笑)。
 だって彼は、最初から歪んだ性格の持ち主じゃなかったじゃないですか。元はマジック好きの少年だったわけだし、始まりは母親を殺した者への復讐だったじゃないですか。たとえポジションは悪役であったとしても、彼が見せた人間らしい一面は、決して偽りじゃないでしょうし、むしろ悪役でもそういう多面的なところがなければ、ストーリーに厚みも出ないし、リアリティなんて出ませんよ。高遠さんは人間なんですから。自ら闇に染まりながらもなお、どこか光を捨て切れない、そういう人なのだと思っていました。

「おかしな人が増えてるこのご時世、ああいう殺人を芸術などと言っているある種の快楽殺人者をどんどんヒーローっぽいキャラにしていくのはどうか、という反省もあり、今回はあえて『地獄の傀儡師』という呼び名に相応しい悪党として描いてみました。」

 「でもここで再確認しておいてくださいね。基本的には危険きわまりない快楽殺人鬼ですから、高遠は。それを忘れないでください、というメッセージをこめた凶悪犯描写だと思ってください。」

 ああ、なるほど。そうでしょうね。漫画とかに影響されて殺人犯すような人もいるわけですしね。確かに殺人鬼にしちゃ格好良すぎましたね、彼は。この作品を読んで、自分もかくあろうと憧れる人が出てくるかもしれませんしね。格好いいところだけを見て、ひたすら信奉する人が出てきても困りますしね。彼は人の命を奪うことで彼の芸術を為し、しかも自らの手を汚さずに他人の憎しみを利用して実行させ、自分の意に沿わなければ殺してしまう最低の男ですからね。妙に殺人まで正当化されて見えちゃたまったものじゃありませんしね。

 悪役描写である事は、元々悪役で当然だから、とやかく言うつもりはありません。こちらにそんな権利ないし。

 ただ、作者の言ってることに納得がいかない。

 高遠さんの内面が、ただの悪じゃ片付けられない複雑なものなのは、読者みんなが知っています。それは、露西亜人形や決死行を見れば、手に取るように感じられますとも。作者さんは「格好良く描き過ぎた」と思っていらっしゃるみたいですが、凶悪な中にも、同情や寂しさや、哀れみが同居する、全く普通じゃないけど、普通の青年であることを感じさせる高遠さんだから、やはり魅力的な探偵達、はじめや明智警視のライバル足り得るのだと思います。全部ひっくるめて、高遠さんの魅力なんだと思っています。

 そりゃ、彼は愉快犯だし、そんなのを魅力的に描くのはどうかと思っても仕方ないでしょうが、「ダーティヒーローっぷりがエスカレートした」っていう風に作者が思っていたのが、こちらとしては意外で悲しいです。
 私ははじめからそのつもりで、その二面性を彼の魅力として高遠遥一というキャラクターを生み出し、金田一や明智さんの最強の宿敵として活躍させているのだと思っていたので、
 「おかしな人が増えてるこのご時世、ああいう殺人を芸術などと言っているある種の快楽殺人者をどんどんヒーローっぽいキャラにしていくのはどうか、という反省もあり・・・」

 って、その作者自身が申告してきたことにショックです。

なんだ、その行き当たりばったりな性格設定は_| ̄|○
さとう先生が『金田一少年の全事件簿』で、「カルロッタって、本当は死なないじゃん!」って仰ってるのを読んだ時くらい脱力しました。

 例えば平行線の話でも、私は”いつかは交わる”気がして仕方ありませんでした。それは、高遠さんがまだ善をどこかに持っていて、いつかは少しでも分かり合える日が来るんじゃないかという描き方をしていたからだと思います。してないとは言わせません(笑)!(一番顕著だったのは、露西亜人形の時かな)
 そりゃ、「金田一の裏テーマの一つになるのかも」なんて勝手な想像をしちゃった私が悪いのですが、でも絶対そういう空気はありましたって!!
 だけど、意図せずそうなっていて、それを時世を気にして悪役修正とか・・・orz
もし「気がつけばダーティヒーローになっていた」だとしても、そのままの彼の姿をもっと大切にして欲しかったんですよ、私は!!意図してなくても、それが金田一や明智警視との絡みや、物語の流れと共に成長(?)してきた高遠さんの真の姿だし、私が高校時代からの時間を共有してきた高遠さんですもの!!

 それをさ、
 「いつのまにこんな性格になってたんだろう?最初は悪役だったのにな~。今の彼は格好良すぎるよなぁ。今は変な人も多いし、こんな殺人者をヒーロー扱いするのは良くない。よし、今回の高遠は悪役主張で行こう!」
 っていう扱いにするのが、何だか物悲しくて納得いかなかったです。

 長々としまりのない文章で申し訳ありません。
が、これが獄門塾のラストと作者様ブログを見た感想です。
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by otokata | 2006-08-10 00:25 | アニメ・コミック・ゲーム