コロコロと興味の対象が移り行く音方による、日々の熱い物を綴ってみた日記。   ※アダルト・商業系サイトやここの記事とあまりにもかけ離れたTBやコメントは削除させて頂いています。悪しからずご了承下さい。


by otokata
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パフューム


 『パフューム』観て来ました。
始まったばかりだからか、16時台以降は21:15~のレイトショーしかありませんでした。ちょっと今日の仕事はきつかったです(^^;)

 で、感想を単刀直入に言うと、
「えげつない」


 ごめんなさい。生理的に受け付けない、この映画・・・。

 いい映画なんですよ。
つくりは凝ってるし、映像と音楽はものすごくマッチしてていい感じだし。

 キャストもすごかったですよ。
アランは期待以上でしたし、グルヌイユ役のベン・ウィショーは、少ないセリフにも拘らず、グルヌイユがとりついてるみたいような迫真の演技でした。何、あの表現力?すごい・・・。
 ローザのレイチェル・ハード=ウッドは、すっごく綺麗で無邪気で・・・。リシが必死になって守る気持ちも、グルヌイユが妄執する香りの持ち主だって言うのも納得。撮影時に15歳だったって、信じられません。

 人間の心を描いた作品だって言うのも、よく分かります。言わんとする事が、何となく伝わってくる、丁寧なつくりでした。

 最初は退廃的で耽美なサスペンスものだと思っていたけど、それはあくまで氷山の一角で、考えさせられることも多かったです。

 でも、ムリ。気持ち悪い。

 これはもうどうしようもないって。悪臭の表現成功しすぎてて、気分悪くなったし、やってることは猟奇的だし、人死にすぎだし、ラストとかいくらなんでもやり過ぎだもの、これ。

 賛否両論多そう。私は肯定したいけど、体質的に否定派。多分、もう観れないと思います。



 人一倍どころか、100倍くらい嗅覚が優れているグルヌイユ。
でも、彼が本当に優れてるのって、足の速さと気配のなさじゃないの!?

 何で馬で一日かかった場所に、走ってその日のうちに着くの!?
 何ですぐ後ろでクンクン臭いかがれて気がつかないの!?

 不思議だ、信じら~れ~な~い♪

 そんな彼のあの最期は、木原敏江さんの『青頭巾』を思い出しました。狂うほど愛すると、食してしまうって辺りが・・・。

 でも、グルヌイユの孤独は伝わりました。それでもまだ全然分かってないんだとは思うけど。ローザを殺すことを一瞬躊躇った時に、初めてあれ!?と思いました。香りだけではなく、ローザ本人へ、何らかの感情が働いたんだろうな、と。
 処刑場でだって、本当はもっと別の道があったかもしれない果物売りの少女の事を思い出して、有りえたかもしれない愛情。周りは皆愛に溢れているのに、自分だけ一人である苦しみ。
 リシに剣を突きつけられたときに両手を広げたのは、殺してほしかったからだと思えて仕方ありません。
 
 映画を観て超人的なキャラが主人公だった場合、感情移入したりしますが、今回そんなのはなくて、ただ「辛いんだな・・・」って、客観的に感じました。今まで書いた事も、客観的な感想だし。超人的な嗅覚や「自分に体臭がない」というのが、あまりに想像できないのと、香りだけにとりつかれて、手段も問わずにただ殺し続けるグルヌイユには感情移入ムリです。だから、本当は全然伝わってないのかもしれないけど、表現としては伝わりました、ということで。

 それから、最初に人が死に続けるのも、最初は「彼に関わった人間は死んでいく」暗示かと思いましたが、「彼の事を知っている人間は、この世からいなくなる」という、究極の孤独の表現なんだと気づきました。「体臭がなくて誰の記憶にも残らない」ということだけではなく。更に彼(の香水)に触発されて愛し合った人々の記憶からも、彼を食らい尽くした人々の記憶からも彼は消え、歴史どころか、同じ時代に生きた誰の記憶にも残らない、筆舌に尽くしがたい孤独なんだと。 辛い・・・。

 そして、1時間15分後に登場するリシことアラン・リックマン!!

 第一声の「ローザ!」から、もう腰が砕けて砕けて・・・。ヤバかったです(^^;)
ひたすら娘を心配してる表情が最高にたまりません!!鬘も似合ってるしvvリボンが可愛いvv

 しかし、可哀想な役だ、リシ氏。ひたすらローザが殺されないことを祈ったのに・・・。
拷問中の淡々と、でも憎しみをこめてたたみこむようにグルヌイユに呪いの言葉を吐いている時なんて、もうどうしようかとおもいましたよ(あらゆる意味で)!!

 でも、いかなる憎しみも溶かして愛に変える究極の香水とはいえ、あのラストはリシ的に悲惨だ・・・。その香りのために、ローザが殺されたのに。「わが息子よ・・・」って、我に返ったとき、彼は何を思ったんでしょう。

 どうでもいいけど、この間の「ドリーム・ガールズ」の時も思いましたが、タイトルが出たその下で「字幕・戸田奈津子」って見た瞬間、どうしてこんなにもげんなりするんだろう?
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by otokata | 2007-03-08 22:41 | 映画