火怨
2007年 03月 29日
TSファンデーションの『AKURO』に感銘を受けてから、早5ヶ月・・・。
ようやく、ずっと気になっていた阿弖流為の物語、『火怨 ―北の燿星アテルイー』を読みました。
・・・って、遅っ!!!
帰って速攻読むつもりだったのに、どうして今頃になっているのやら・・・。
まあ、とにかく、ついに本屋で手に取り、レジに持っていって無事購入し、一週間かけて上下巻読破しました(←遅読なので、これは自分的には早い方です。)
『AKURO』で予備知識があったので、とっつきやすかったということはあります。しかし、読み始めてからは、異例ののめりこみ具合でした(一週間かかってるけど)。
なんだ、この作品は!?面白すぎる!!
ページをめくる手が急くのに、そのくせ一文一文もっとじっくり読んでいきたくて、何だか不思議な感じでした。下巻後半なんかは人前で読めませんでした。泣きます、これ!!
個性豊かな仲間が一人ひとり集まり(戦士やら策士やら鍛冶師やら)、共通の敵に向かっていく物語はRPGのようで、数では圧倒的に劣る戦に頭を使って勝利していく様はシュミレーションゲームのようで、全体を通してみると陸奥を舞台に英雄たちが駆け巡る様は映画のようで、もう本当に面白かった!!
特に、キャラクター達が惚れ惚れするいい男揃い!!故に名台詞のオンパレード!
私は田村麻呂様と飛良手が特にお気に入りです♪本っ当にいい男です!!この二人のラストシーンの辺りは本当に名場面ですとも!!!ちょっとえげつないけど・・・。
が、阿弖流為も母礼も諸絞も取実も、猛比古も延手も多久麻も御園も、皆大好きです!!!ああもう、ステキすぎる・・・・!!もちろん滝名と佳奈も好きですが、この本って名前のある女性、この二人しか出てこなかったような・・・?
で、途中辺りから気づきましたが、『AKURO』とは全然違った・・・。
これが元設定とか原案なのかと、勝手に勘違いしていました。こう、『火怨』の後に『AKURO』が続くのかと。プログラム見たら、どこにもそんなこと書いてない。高橋先生の解説があっただけだし。うっかりうっかり(^^;)
特に、伊佐西古と田村麻呂様、雰囲気全然違う。伊佐西古の行く末も違う。阿弖流為は、何かあんな感じだった気もするけど。田村麻呂様、『AKURO』では完全に敵役でしたが、こちらでは阿弖流為や母礼の方に似た、気持ちのいい爽やかな武者です。今さんイメージで読んでいたのですが、だんだん脳内で爽やか度が増していき、しまいには実写セラムンのクンツァイト様イメージになってしまいました(笑)。衣装はAKUROのままで・・・。いや、ズルズルしてて黒髪ポニテだし、剣持ってるし・・・!?
これ読んだ後だと、『AKURO』の方がかなりやるせなく感じました。『火怨』の方はおどろおどろしいタイトルの割に、希望に満ちていますから。それでも根底にある、攻められた蝦夷の、希望を見出そうとした誇りや意地をかけた戦いという点では同じですが。
何かもう、これ読んだ後自分の人生設計と人生観見直したくなりました(←元々無いに等しい)。
彼らがこれだけ自分達の土地・家族・仲間・誇りなどを守ろうと命を燃やしてるのに、私の方は一体何してるんだろう・・・?って。志がないでもないのに、今の中途半端な状態って田村麻呂様が言う「己れの欲だけで生きている」都の人とあんまり違わないじゃん・・・って。少々凹みます_| ̄|○
あそこまで鮮烈に生きるのはムリでしょうが、彼らのように活き活きと真っすぐに、情熱的に生きられたらと、改めて思いました。
by otokata
| 2007-03-29 22:03
| 読書