コロコロと興味の対象が移り行く音方による、日々の熱い物を綴ってみた日記。   ※アダルト・商業系サイトやここの記事とあまりにもかけ離れたTBやコメントは削除させて頂いています。悪しからずご了承下さい。


by otokata
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レ・ミゼラブル (1957年)


 無事レポート提出できました!!
講義も今日で全て終了し、後は発表会や試験と、イベント続きです。
最近ちょっと色々上手くいかない時期に入っちゃったらしく、スランプ続きですが、まあ、多分何とかなるかと・・・。

 とりあえず授業が終わったのと、TSUTAYAレンタル半額に便乗して、ジャン・ギャバンのレミゼなど見直してみました。
数年ぶりに観たので、「こんなんだっけ・・・?」の連続でした。
折角ですので、突発的ユゴー語り第4弾として語ってみようと思います。

 レ・ミゼラブル (1957年)

 
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製作・・・1957年/フランス・イタリア
監督・・・ジャン=ポール・ル・シャノワ
キャスト・・・ジャン・ヴァルジャン/ジャン・ギャバン
        ジャヴェール/ベルナール・ブリエ
        ファンティーヌ/ダニエル・ドロルム
        コゼット/ベアトリス・アルタリバ
        マリウス/ジャンニ・エスポジート

 この映画には、全編通してナレーションが流れます。時代背景とか、出来事とか、それで語ってくれるのでとても分かりやすいです。場と場を繋げる時も、そんなに強引に見えないし。ずっと字幕を追っかけてると、映像入りの本を読んでる気分になります(私だけ?)。

 大体3時間の映画で、TSUTAYAでは2本1セットで貸し出ししていました。前半が徒刑場からマリウスがコゼットに恋するけど、バルジャンと彼女が散歩に来なくなるのであえなくなるところまで。後半はABCやマリウスとコゼットがようやく出会うところから、原作の4行詩まで。

 基本的に原作に忠実で、話に破綻は無く、時々イメージ映像が入るのが笑えるくらいでしょうか。(バルジャンが裁判に行くか葛藤するところで、いきなり海の映像が入るから、ちょっとビックリ。)
・サヴォワの少年の話
・サンプリス修道女が初めて嘘をつく場面
・ワーテルローでのポンメルシー大佐とテナルディエのやり取り
・ジルノルマン氏
・ABC友の会 (描写は少ないけど、ジョリやバオレルの名前が出たり、プールヴェールの最後が描かれていたり。)
・ゴルボー屋敷襲撃

と、とにかく細かいエピソードまで忠実(笑)。これも多分ナレーションのおかげでしょうね。サラッとその人の経歴とか心情とかを語っちゃうので、大分助かっています。
(ときどき、それがネックに感じられる箇所もあるにはありますけど。)
 普通省略されがちなシーンが見られるのは嬉しいけれど、特に、アンジョルラスとグランテールの最後をちゃんと描いてくれたのはかなりポイント高いです!
グランテールはやっぱりずっと飲んだくれてるのですが、最後アンジョが壁に追い詰められて銃殺されかけた時に「俺も仲間だ」と、アンジョの隣に立つのです。心中万歳!!(違う)
・・・アンジョがもっと美しかったら、更に嬉しかったのですが・・・(ボソッ)。
  
 さてさて、私の視線はずっとジャヴェールにいってるのですが、正直インパクトに欠けます。真面目で誠実だけど、結構どこにでもいる警部っぽい(汗)。
マドレーヌ市長に辞職を願い出たり、バリケードで捕まっても静かで動じずなので、「設定は潔くて厳格なんだろうな~」、とは思うのですが、見ている限りではよく分からない。
 スタイルも、シルクハットや服はいいんですけど、ちょっとお腹が・・・(苦笑)。
私はジャヴェールには、職務一途でストイックなところが欲しいので、いいもの食べてそうなジャヴェールは嫌です。顔つきも緊張感に欠けるし。
 こればっかりはナレーションじゃフォローできないからね・・・。

 それから、重大なオリジナル設定が一つ。
ジャヴェールといえば、原作では徒刑囚と女トランプ占いの子として監獄の中で生まれた人。自分の階級に言いようの無い憎しみを抱いていて、社会から疎外されているもう一つの階級である警察に入った人。それゆえに、犯罪に対する憎しみは人一倍強く、敏感な人。
 そのジャヴェールが、監獄所長の息子って一体・・・?
徒刑囚が「ジャヴェール親子だ」と言った瞬間、思わず「あれっ?」って(笑)。ジャヴェールの迫力の無さや、これでもかというような法への執着心・犯罪への憎悪なんかが見えなかった原因の一因、ここにもあるんでしょうね。

 自殺も、ヴァルジャンを逃がしてしまった彼が、真昼のセーヌ川河岸で、いきなり手錠をかけて無言で飛び込んでしまいます。
(”飛び降りる”じゃないんです。橋じゃないから。)
ここではナレーションは無し。あっても嫌だけど、普通に見てたらなんで死んでしまったのかさっぱり分かりません。
ヴァルジャンをロマルメ通りに送った時に、以下のようなやりとりがあります。

 「何故私を助けた?」
 「分からんのか?」
 「ああ。」
 「哀れだな。」

何がいいとは言えないけれど、以前観たときはここしか印象に残っていないくらいでした。
この後の自殺が不可解でさえなければ・・・(泣)。

 えっと、こき下ろしてしまったので、フォローを一つ。
バリケードで捕らえられたジャヴェールがマリウスを見て、「君は銃を返さなかったな。」と、告げるところは何だか余裕があって好きです。(マリウスが警察に行った際、「銃は返すように」と念押しした伏線つき。)
って、それだけか、私。

 希望としては、ゴルボー屋敷でテナルディエのおかみが反抗した時に、
「かみさん、あんたには男のようなひげがあるが、俺には女のような爪があるんだぜ。」
のセリフが欲しかったんですけど・・・。あのジャヴェールじゃ無理ですね(溜息)。


 ヴァルジャンの方は、「これぞヴァルジャン!」って程じゃないけど、結構好きでした。何だか貫禄があるので、一貫して淡々と静かにしてるけど、でもきっと物言わぬ中で葛藤してたりするんだな・・・、と、勝手にこっちが思ってしまうタイプ(笑)。

 ファンティーヌは美人さんです(嬉)。バマタボワ(名前は出てないし、学生になってるけど)に雪を投げられるシーンで初登場し、警察で回想シーンが入ります。基本細かい映画なので、テナルディエ夫婦にコゼットを預ける経過も分かります。最初に出てきた時は本当にボロボロなので、回想で若く美しいファンティーヌを見ると、その差がすごく哀しい。
 その娘コゼットもこれまた可愛い人です。マリウスがうっかり一目惚れするのも分かります。ただ、ヴァルジャンが旅立つと言った時のあの冷たい反応・・・。残酷だ・・・。

 テナルディエは、凄かった。演じているときも残忍で悪党な性格が滲み出てて、顔がちょっとひょうきんなだけに怖いというか、近寄りたくないというか・・・。あんな感じですね、テナルディエって!

 マリウスは・・・、多分美形。描かれ方が丁寧なので嫌いにはならないけど、いまひとつピンとこないです。私と相性が良くないんですね、きっと。
 エポニーヌは、決して綺麗じゃないけど、”属性:みすぼらしくても一途なところ”は健在だったので、少し嬉しかったです。コゼットに服をもらって、無邪気に喜んでるのは可愛かったです。でも、マリウスの気持ちを知らなかった時期とはいえ、よく考えたらありえない組み合わせ・・・。最初は同じ場所にいたのに、これほどまでに差が開いてしまうのか、と、実感します。

 全体的に淡々と進行していく映画(蜂起のシーンは迫力があったけど)で、もの凄い感動!とまではいかないまでも、墓石の上に書かれた4行詩で終わりを迎えた後は、ちょっとしみじみしてしまう作品でした。この詩、反則なまでに心に訴えてくるので余計にそう思います。
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by otokata | 2006-01-20 23:23 | レ・ミゼラブル 映画版